経常利益はピーク時の4.8%しかありませんでした。
また、この前年の17年前期には創業以来初の赤字も記録しています。 もちろん、会社としてもただ手をこまねいていたわけではありません。

売り上げの下落とディストリビューター数の減少を食い止めるために、さまざまな施策を行っており、それがあったからこそこの程度の落ち込みで済んだのではないかとも言えます。 17年以降にAWが行ってきた主な施策を時期の早いものから見直していきます。
たとえて言うなら、3年前の発売時のままだった車に安全装備を追加し、17年前のモデルと同程度の安全性を付加させたようなものです。 3Dプロジェクトによるもっとも大きな改革は、ダイレクト・フルフィルメント。
DDIダイレクトディストリビューターという呼称に象徴されるように、もともとAWはディストリビューターひとりひとりと取り引きを行ってきたわけではありません。 DD(代理店)となって初めて会社と直取り引きができるのであって、そこに至るまではDDの下部組織、いわばサポートメンバーの扱いでした。
ボーナスはDDに一括して支払われ、それをDDが自分以下のメンバーの成績に応じて分配する。 コンピューターのなかった時代に考えられたシステムですから、こうするよりしかたのない部分がありますが、当然のごとくボーナスをもらったもらわないのトラブルが頻発します。
長いあいだ問題視されてきた制度がこれです。 会計年度からは全ディストリピューターの郵便貯金口座を会社に登録し、個別にボーナスを支払うように改められました、これがダイレクト・フルフィルメントです。
ほかの会社ではごくごく当たり前のことなのですが、古く大きな組織をもつAWにとっては、この程度のことすら簡単ではなく、この作業を含めた一連の施策に1年間で300億円を投資したというのですから、この時代のAWがいかに硬直した管理体制だったかが窺がえます。 3Dプロジェクトの実施により、4〜5年後には売り上げを6000億円から8000億円に引き上げたいと、当時の日本AW社長のR・J氏がマスコミの取材に答えています。
もっとも、その舌の根も乾かないうちに実行していますから、この発言自体が大企業の経営者にあるまじきものであったことは明白です。 このあたりですでに売り上げの急激な減少に備えて社内体制を再構築しつつ、メンバーに対しての情報操作の姿勢が見え隠れするようになります。

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